【VTR250】クーラント交換編

前回クーラント交換のついでにエアクリフィルターを交換しました。
タンクの付け外しは前回の記事に書きましたので、そちらを見てください。
【VTR250】エアクリフィルター交換編

いつものことですが、作業は自己責任でお願いします。
また、間違いや改善がありましたらご教示お願いいたします。


古いクーラントを抜く

まず初めにラジエータキャップを外します。
外さなくてもラジエータ液は抜けると思いますが、開けた方が抜けがいいと思います。

次に赤色のドレインボルトを外します。(確か10mm)
このボルトを外すとクーラント液が排出されるので、下にバケツを置いておきます。
ドレインボルトを抜くと勢いよく排出されるので、気を付けてください。

ちなみにクーラント液は有害物質なので地面に垂れ流しにせず、必ずバケツか何かで受け止めて下さい。

クーラント液は近くのガソリンスタンドやオートバックスなどで回収してくれます。作業前に近くのお店で回収してくれるか確認した方がいいかもしれません。

次に最初に外したラジエータキャップの所に水を入れて洗浄します。
抜いただけだとどうしても古いラジエーターが残ってしまうので、透明な水が排出されるまで水で流します。

この方法だと中に水が残ってしまうので、ラジエータ液が少し薄まってしまうかもしれません。気になる方洗浄した後に水でやった時と同じように新品のラジエータ液を入れて、ラジエータ液が排出するまでやってください。

もしくは薄まることを想定して、濃いめのラジエータを入れてもいいかもしれないです。
(個人的にはたいして薄まらないと思っているので、水が残ったまま新しいラジエータ液を入れてます。)

抜けきったらドレインボルトを締めてください。
(ドレインボルトの所にワッシャーがあるのですが、今回は再利用しました。
本来であれば新品に変えた方が良かったかもしれません。)

リザーブタンクのクーラントを抜く

意外と忘れがちですが、リザーブタンクのクーラントも抜きます。
正しい抜き方が分からなかったのですが、リザーブタンクの下にあるホースを抜いて古いクーラントを抜きました。
(写真が分かりにくいですが、リザーブタンクは車体右側にあります)

リザーブタンクも先ほどと同様に水を入れて洗浄します。

終わったら先ほど取り外したホースを取り付けます。

新しいクーラントを入れる

本当は漏斗などがあれば使った方がいいのですが、手元に無かったので一度ペットボトルにクーラントを移してから入れてます。

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ちなみに今回使ったラジエータは上記のものです。希釈せずにそのまま入れるだけなので便利です。

エア抜きをする。

一杯になったから終了...というわけではないのです。上の図を見るとクーラント液が満タンに入っているように見えますが実は違います。ホースなどに空気が入っており、空気を抜く必要があります。

試しにこのホースをにぎにぎしてみてください。空気が出てきます。
さっきまで口いっぱいに入っていたのが、一気に無くなりました。

空気が出なくなるまでクーラント液満タンに入れる→ホースをにぎにぎを繰り返します。


次にリザーブタンクにクーラント液を入れて終了です。
冷却水のリザーブタンクはレベルゲージがあるので、気を付けてください。
レベルゲージの見方は下図を参照してください。
上限と下限の間に入ってます。
今回はここで終了です。


本当に正しくやるのであれば、タンクを取り付けてエンジンをかけてエア抜きをした方がいいです。バイクにはサーモスタットと呼ばれるクーラントの経路を変える弁があるのですが、そこのエア抜きができないからです。

サーモスタットは水温が低いうちはラジエータの所を通らない経路で、水温を上げます。
温度が上がるとラジエータの所を通るようになり水温を下げていきます。
今回はサーモスタッドが閉じた経路の所しかエア抜きができていません。
詳細は補足に追記したので、参考にしてください。

一応完全にエア抜きできていなくてもリザーブタンクからエアが抜けて、クーラントが減ります。エアが抜けきるまではリザーブタンクを定期的に確認し、クーラントが減ったら追加していってください。

(補足)冷却液の経路

サーモスタットによる冷却経路の切り替え

VTRの整備書を手に入れたので、冷却液の経路を紹介します。
冷却水の経路

エンジン始動直後の水温が低いときはエンジンの暖気を妨げたくないので水を温めておきたく、エンジンの暖気が終わったらエンジンを冷やしたいので水を冷やしておきたいです。

それを切り替えるのがサーモスタットと呼ばれる部品です。この部品は温度によって弁を開いたり閉じたりします。サモスタットの動作については下記の動画を参考にしてください。
(2021/06/06 動画が間違っていたため差し替えました。)



水温が低いときはサーもスタットが閉じており、水の流れは図"冷却水の経路"の中の緑色の矢印の方になります。この経路はラジエータを通らないため、水が冷やされません。

一方で水温が高くなるとサーモスタットが開き、水の経路が赤矢印の方になります。
この経路はラジエータの中を通るため、水が冷やされるようになります。


リザーブタンクの動作

リザーブタンクは水圧によってメインの経路とクーラントのやり取りをしています。
下記の動画が冷却水の動きがわかりやすいと思います。(下記動画は車ですが、バイクでも同じです。)

動画では温度が高くなるとリザーブタンクの液面が上がってきていると思います。
これは温度が上がることで、水圧が高くなりサイフォンホースを通してリザーブタンクのところに冷却水が移動します。

逆に水温が下がることで水圧が低くなるので、リザーブタンクからメインの経路へ冷却水が戻っていきます。

この冷却水のやり取りを行う中でメインの経路にあるエアがリザーブタンク側に行くので、エア抜きができます。

なので、冷却水を交換したばかりの時は何度が走行するとエアーが抜けていき、リザーブタンクの冷却水が減っていきます。

このようなことがあるので、交換直後は定期的にリザーブタンクを見て、減っていたら冷却水の補充をしたほうがいいです。減らなくなったらエア抜きが完全に完了しています。

作業日:2019/08/25(エアクリ交換と同時に実施)
走行距離:16056 km

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